winstonシガレットのコンタクト情報

LENS-CATEGORY

老眼用コンタクト

 中高年の時期になると調節力が低下し、ついには調節が行えなくなります。それに伴いはっきりとピントを合わせられる明視域が徐々に狭くなります。調節力がなくなった時点では、明視出来るところは近視または正視の人は遠点のみとなり、遠視の人では存在しなくなります。この老眼による不便を解決する為に、遠近両用のコンタクトレンズが開発され人気を集めています。
 遠近両用コンタクトレンズには、交代視を行うタイプと同時視を行うタイプの2種類に分けられます。交代視型では眼球を上下に動かし、瞳孔とレンズの位置関係を変えることでレンズの遠用部と近用部を使い分けるように作られています。通常、レンズの中央部を遠用とし、周辺部に近用部がつけられています。近方視時は視線を下方に向けると瞳孔がレンズに対し相対的に下方へ移動することで近用部を視線が通ることになります。
 同時視型には、屈折を利用した型と、屈折に回折を付加した型に分けられます。前者では同心円状に度数変化が付加されており、中央部を遠用とし周辺に近用度数を付加したものと、中央部を近用とし周辺に遠用度数を付加したものがあります。2重焦点タイプと多焦点タイプがあり、多焦点タイプでは中央部に遠用度数が入った部分があり、これを囲んで同心円状に回折を起こす為の溝が刻まれ、回折一次光を近用に利用しています。
 交代視を行うタイプでは、瞬目によるレンズの回転を防ぐ為の工夫として、近用部に厚みを持たせるプリズムバラスト、もしくはレンズの上方または下方を切り取るトランケーションなどの特殊な設計がなされます。このため装用感が著しく低下します。
 同時視タイプは、瞳孔中心とレンズの中心が一致していないと期待した効果が得られません。さらに瞳孔径がその効果に影響を及ぼし、近見反応や老人性縮瞳で瞳孔が小さくなることを考慮して、中央部に近用度数が付加された形の方が近くが見やすくなります。いずれにしても、網膜上に遠方と近方からの光が同時に結像するのを分離、選択するのは高次の脳内情報処理であり、熟練を要します。