非常に便利なコンタクトレンズは、使用者数が１５００万人を超えています。しかし、利用者数の増加に伴い、トラブルも増えており注意が必要です。
眼科救急外来で急増しているのが、使い捨てコンタクトレンズの誤使用による患者です。最近では通販などでも手軽に購入できるため、医師の処方を受けずに購入して目に合わないものを使用したため問題が発生しています。また、医師に指導を受けていないため、基本的な使い方やケア方法を把握しないまま使用してしまうことも、問題が発生する一因となっています。
１日使い捨てレンズを何度も使用したためのトラブルも後を絶ちません。使用期限の決められているレンズは、その期限を必ず守る必要があります。２～３日ぐらいいいだろうという軽い気持ちを持たず正しく使用することが必要です。
現在ソフトタイプのレンズで話題の素材にシリコンハイドロゲルというものがあります。従来のものより酸素透過性に優れ、眼に優しいと急速に広がっていますが、この新素材のレンズにも注意点があります。
それは、アイライナーなどの化粧品やクレンジング剤の影響でレンズが変形することがある点。酸素透過性を高めるために使用したシリコンが疎水性で、従来の素材より油脂成分などの汚れがつきやすいのが原因でした。
メーカーは研究を重ね、油脂成分を吸い込まないよう工夫をしていますが、だからといってレンズをつけたまま化粧を落とすことは大変危険です。
これらは、使用方法を守ることなどで防げるものです。ちょっとした気のゆるみで取り返しのつかない事態になっては悔やんでも悔やみきれません。そうなる前に正しい知識を身につけ、定期的に医師の健診を受けることが大切です。